インドネシア現地採用者のジャカルタ生活記

インドネシアのジャカルタに住んでいます。アジアで働いた方が幸せになれるのでは?という仮説の検証中です。もう日本で働くのしんどいっす。

ブラック企業の中で働いていると自社がブラックだと感じづらいのか

はじめに

「2chで我が社をブラック扱いした君へ。 」という記事を読んで、ちょっと面白かったので自分の体験も交えてブラック企業の中について語ってみることにしました。ブラック企業って、その中にいて一生懸命働いていると、意外とその事実に気づかないもんなんですよね。ある日突然、洗脳が解けたように「あれ、俺の会社ってやばいんじゃないか?」と考えるようになり、一度そう考え始めたら後はもう止まることはないですね。

「2chで我が社をブラック扱いした君へ。 」

anond.hatelabo.jp

非常に面白い文章構成だなと思いました。最初読み始めた印象は、ブラック企業の人事部あたりの人が学生に向けて愚痴った文章なのかなとおもいました。それを匿名の形でブログにぶちまけたのかなと。なので、ちょっと勘違いした人だろうと。ところが、読み進めていくと、最後の方でどんでん返しが待っていたわけです。これは普通に面白い文章でした。

ブラック企業の問題は根深い

問題なのは、ブラック企業で頑張って働いている人が、自分の会社をブラックと認識していないかもしれない、ということだ。何故なら、比較対象となる、よりよい環境の就労経験がないためだ。ブラックだと思ってる側と思ってない側の意識の差は、同じ環境で働く限りでは埋まらないだろう。ブラック企業の問題は根深い。

これは実体験からもよく分かります。自分は転職してインドネシアに来る前までは、日本のよくあるガテン営業系ベンチャー企業に勤めていました。商品やサービスに大した特徴はなく、販売代理で他社サービスを延々と売っていました。表面的には「マーケティング会社」を装っていましたが、中身は体育会系色が濃厚なただの営業会社で、辞めてしまった今となっては嫌な思い出しか残っていません。

今でも覚えている社長の言葉

全員が経営者の気持ちでやる

別に会社に持ち株制度があるわけでもなく、マネージャー以上はストックオプション付与みたいなことがあるわけでもないです。株のことは置いておいて、マネージャーから平社員までとにかく経営者になったつもりで何でも考えて行動しろと叩き込まれました。採用業務、経理業務、法務業務など自分の通常業務とは関係ないことでも、自分が経営者になったつもりになれば普通考えるだろうと。あるいは、新規事業の種を探し続けるとか。考えるだけではなくアクションをどんどん起こせと。

これはこれでなかなかしんどかったですね。なんかそういう文化だと刷り込まれたので、冒頭の引用記事ではないですけど、自分が中で働いているうちはそんなもんかなと思って感覚が麻痺していました。転職して初めて気付く違和感。一種の洗脳と一緒だと思うんですよね。企業の価値観とか文化とかそういったものを新卒や中途採用の人間に叩き込むのは。ただ、100%間違っているとも思ってなくて、この会社で役員や部長になりたい人は、そのように考えて振るまるべきなんだろうなと今でも思います。ただ、それを社員全員に求めて、時に全員の前で特定の平社員を見せしめに叱責するのは何か違うだろうと。そうなると、当然定期的に人は転職していきますよね。

仕事の報酬は仕事である

これ自体は間違ってないと思うんですよね。著名な経営者や優秀なビジネスマンなんかも、同じような言葉を使っているので。問題なのは、この言葉を水戸黄門の印籠のような形で使い、給与や福利厚生などの収入部分に制限をかけてしまうことだと思います。言いたいことは分かるんだけど、成果を出している人には昇給とかで報いてあげないと転職してしまうよと。

また、「仕事の報酬は仕事である」と言いつつ、実はロクな仕事があるわけでもないという悲惨な状態だったのもきつかった一因でした。作業の上に作業があり、その上にまた作業がある。それを犯罪ではないものの、違法スレスレな分野でやらされるという強烈なストレス付きの仕事だったりします。明らかにそんな報酬としての仕事は不要だなと。

稼いでくるやつが一番偉い

これはそのままですね。つまり、営業マンが一番偉いと。粗利を稼いでくるというのは、一番分かりやすいですからね。ただ、営業マンが安心して稼いでくるためには、その営業マンを支えるチームがあってのものだと思います。営業マンがアポ取りから受注、その後の契約からサービス提供まで全て自分一人でできるわけではないので。ただし、それを差し引いたとしても、やはり粗利を稼いでくる人は素晴らしいと思います。要するに、見せ方の問題だった気がします。全てをこの基準で考えて発言するので、非営業系の人間はげんなりしますね。

全ての原因を自分に置く

原因と結果の法則ではないですが、起点を全て自分に起きなさいと。そうしないと成長しないぞと。これも使いどころと使い方を間違えなければ、やはり良い言葉だなと思います。確かに、過去や他人についてあれこれ考えても、結局変えることができるのは未来と自分だけなんですよね。これは今でも確かにそうだなと実感します。

よって、会社からは「自分が悪いと考えろ」と教えられます。ところが、マネージャーや社長は常に「問題を起こしたお前が悪い」と責め立ててきます。彼らのマネジメントに対する自省はどこかに放置され、延々と平社員が責められるという構図。もちろん、問題を起こした張本人が一番反省すべきなのは重々承知ですが、それを二度と繰り返さないためにも仕組み化などの構造的な部分にメスを入れるべきだと考えています。その仕組み化を怠ってきたから問題が発生したわけで、少しは上の人も反省してほしかったと今でも思います。陰で反省しているなら分かりますが、大体飲み会になると平社員の愚痴を言ってたので、まぁそんなもんだよねと。社員が転職する際の原因になりやすい理由の1つです。

スピードはクオリティである

これも使い方を間違えなければ、個人的にはけっこう好きな言葉なんですけどね。ざっくり言うと、100%のクオリティを目指して時間を長く使うのではなく、70%や80%のクオリティで構わないので、スピードを重視して早くアウトプットを出そうぜ!みたいな感じの考え方です。そうやってアウトプットのタイミングを前に倒して、自分よりも優秀な人に見てもらえれば効率的に仕上げることができるだろうと。

ウチの会社で間違っていたのは、「70%や80%のクオリティで構わないので、スピードを重視して早くアウトプットを出す」ではなく、「とにかく1秒でも早く出す」みたいなところにフォーカスされすぎて使われてしまったところだと思います。この発想がクオリティの圧倒的な低下を招き、質の低い仕事が社内を蔓延することになってしまった原因だと今は考えています。

おわりに

今は会社を辞めて転職し、インドネシアで働いていて幸せな日々を過ごしていますが、やはり日本で働いていた苛烈な時期を思い出すと、もう二度と戻りたくないなと心底思います。ブラック企業で働いていても、正直いいことなんか1つも無いですね。インドネシアは大体残業が無いので、日本という閉塞的な社会で息切れしそうな人は、是非インドネシア含むアジアで働いてみるのも良いのではないかと思います。